どうも、お正月はマンガばかり読んでいたwasabi( wasabi_nomadik)です。
Kindle様のおかげで、ドイツにいたって日本のマンガが簡単に買えちゃいます。
ちょっと時間ができた年始は、前から読みたかった本や読みかけの本をどんどん読み進めたのですが、その中でも私が今一番ハマっているのは「ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~」というマンガです。
2013年から連載が始まっているので、今更?と思う方もいるかもしれませんが今年1月よりドラマ化も決定しているということなので、ご紹介します。
主人公は原作者でもある松駒さんという方。彼は実際に店員として深夜のコンビニでバイトしているのですが、そこに「仁井」という仏教学部で学ぶ大学生が新人バイトとして入ってきます。理不尽なクレームもつけられがちなコンビニバイト。「お客様は神様だろぅ!?」という客に対し、哲学的な返で「神は死んだ」と言い放った仁井君、通称「ニーチェ先生」の言動や行動を追ったコミカルな業務日誌です。
このフックの強さ、そして内容の面白さもさることながら私が一番この本に惹かれる点はこの本の成り立ちです。
驚くべきことになんと、原作は本ではなくTwitterの投稿からマンガ化したのです!Twitterのつぶやきがマンガになるなんて面白すぎます。
そのつぶやきの数々が本当に面白い!いくつか抜粋しますが、もう、抜粋しながらこの時点で笑っちゃってます。w
ニーチェ先生名言集
「お客様は神様だろぅ!?」とお怒りになったお客さんに対して、淡々と「神は死んだ」と返した期待の大型新人が夜勤にやってきました。ゆとり世代ならぬさとり世代である彼の今後の活躍に期待したいところです。
— 松駒 (@matsu_koma) April 16, 2012
これがニーチェ先生全ての始まりだった・・・・。
私「仕事で分からないことがあったら遠慮なく聞いてね」 大型新人「あ、では質問があるんですけど」 私「何ですか?」 大型新人「松駒さんは何故生きているのですか?」 あのとき言うべきだった最良の回答を、未だ見つけられずにいます(20代/首都圏在住) — 松駒 (@matsu_koma) April 27, 2012
うん、大切な問いだ。大切な問いであることは間違いないけれど、タイミングが凄すぎ。(笑)
職場の懇親会に誘われたニーチェ先生(大型新人)が「所用の腹痛がありまして」と一蹴。オーナーを始めとした皆が「そっかー仕方ないねー」みたいな雰囲気になって丸く収まり凄いと感じたし、私もその言い分を積極的に使っていきたい。
— 松駒 (@matsu_koma) April 29, 2012
「所用の腹痛」ってなんだ!新しすぎる、しかも色々便利そう。しかも一瞬聞いただけではなんとなく持病で常に腹痛持ちみたいに聞こえるからそれ以上誰も聞き返してこなさそうなこの絶妙感。w
哲学者の名言で困ったお客様を撃退したニーチェ先生(大型新人)。やっぱり愛読書は『純粋理性批判』や『幸福論』はたまた純文学なのかなと思いお聞きしたところ「別冊マーガレットです」とのこと。彼について知れば知るほど疑問が尽きない。 — 松駒 (@matsu_koma) May 11, 2012
分からない、ニーチェ先生の全貌・・・。プライベートが超気になる・・・。
「2億部も売れてるのに『ONE PIECE』読んだことないんですか?」と言われたニーチェ先生(大型新人)、「聖書を読んだことは……ないんですか? 60億部も刷られているのに?」と切り返していて、漫画と聖典を同列に語るとは神をも恐れぬ所業だし、さとり世代の名をほしいままにしている。
— 松駒 (@matsu_koma) June 30, 2012
ごもっともすぎて、何も言えねぇ。(笑)たしかにそういう理論になるわね。
ニーチェ先生(大型新人)の逆鱗に触れないよう「一番腹が立つお客様はどういう方ですか?」とお聞きしたところ、静かに「来店する……お客様ですかね」とお答えになって、接客業の根底を揺るがす発言に今、休憩室が水を打ったように静まり返っている。 — 松駒 (@matsu_koma) August 11, 2012
さすが核心を突いてます。突きすぎて私の腹筋は崩壊どころか突き破られました。
従業員の娘さんお手製クッキーを渡されたニーチェ先生、「凄いですね、この炭素化合物」「どんな錬成陣で生成したんですか?」と憎まれ口を叩きつつも「火が通っていることは明白で安全性の高い食品と言えますね」と一欠片も残さず完食していて、その不器用な優しさが懐かれる要因なのだなと和んだ。
— 松駒 (@matsu_koma) October 19, 2013
このニヒルさとブラックユーモアさにどんどんハマってしまう・・・。ニーチェ先生のいるコンビニ行きたいよ!
コンビニはすごく面白いコンテンツ
このマンガでは、金に目がない貧乏な先輩や売れそうもない微妙な商品ばかり大量に発注する能天気なオーナー、家柄がYAKUZAと疑われている後輩バイト君など出て来るキャラクターが本当に面白いし、妙にリアルに実在している感じがすごく上手なんです。しかもコンビニという誰にでも身近な場所を題材にしているので親近感は湧くし、コンビニに来るお客さんの描写も「いるいる!こういう奴!」と納得の嵐。
私の好きなYoutuber、PDRさんも「コンビニに来るウザイお客さんシリーズ」という動画を出してます。これは彼がコンビニでバイトしていた経験から作ったコンテンツなのですが、コンビニで働いたことがない私でもその光景がすぐに想像できて笑ってしまいます。コンビニで働いている人にとっては見ていてスカッとする内容かも!?
ニーチェ先生の言動もけっこうこれに似たところがあって、彼の場合お客の理不尽さを「哲学的」な思考で覆していく面白さがあります。
それだけでなく、松駒さんの「社会人じゃないコンプレックス」も見ていて興味深いです。
彼は就職浪人中で、いろんな場所へ就活に行っているのですがなかなか就職できず、そのことをコンプレックスに感じたり、周囲にも「就職しないで何してるの?」的な空気があるんです。それをコミカルな自虐ギャグとして扱っているので全然悲壮な感じはしませんが、日本の感覚ではこれがまだまだメジャーなのかと思ったり。
マンガを読むとそういう社会の背景も見えてきて興味深いです。ニーチェ先生はドイツでも流行りそうだな。ニーチェドイツ人だし。(笑)
ブラックユーモアやニヒルな笑いが好きな方は絶対ハマると思うので、是非読んでみてください!