AIはデータが全てという学び|Springbok.aiの事例から

こんにちはwasabiです。

先日BlockchainHubとロンドンのAI企業Springbok.aiで共催させていただいたミートアップ「欧州AIトレンド&ビジネス実装におけるTips」でしたが、欧州のAIトレンドに興味を持っていらしてくださる方が60名以上もサインアップしてくださり、告知の期間がかなり短かったにもかかわらず盛況を見せました。

 

ロンドンから日本に来ていた友人のビクトリアがManaging Director(CEO)を務めるSpringbok.aiはHenkelなど欧州を中心とする大企業向けにチャットボットをはじめとするAIによるソリューションを提供しています。Springbok.aiは会社を作る前からHenkelからプロジェクトを依頼され、今まで誰からも出資を受けることなく利益を上げ続けているという、とても理想的な形で成功しているスタートアップです。創設から2年が経過した昨年は3倍の利益を記録し、100%のビジネスリテンションと外部スタッフを含む社員全員の維持率を記録しています。

 

欧州のAIトレンドについてもいろんなことを話してくれました。なんだか最先端なイメージのある欧州でのAIスタートアップですが、内情は40%以上の「AIスタートアップ」と謳うスタートアップは実はAI技術を一切用いていないというから驚きでした。なんと中にはただマニュアルでボタンを押してジュースを絞り出すミキサーを売る会社が「AIを用いたミキサー」としてビジネスをしていた例もあるとか。(仕組みはAIなどいっさい用いていないとても簡単な、ただボタンを押すだけのシロモノ)

 

なぜこうしたことが起こるのかと言うと「AI」というものが一種のHype(誇大表現)として使われていることが理由だそうです。そして、実際にAIと謳えば出資を受け安くなるという実情もあってデータでもAIを扱える技術者の数に対してAIの企業が多すぎること、そして実際にデータ上も”AI企業”に対する出資額が上昇しているそうです。

 

彼女の話で興味日かかったのが、大企業にAIでソリューションを提供するときにとても苦労したのが「良いデータを集めること」だったそうです。と言うより、AIのシステムにぶち込んできちんと使えるデータにするためにはFAXやPDFなどのデータをマニュアルで事前処理し、タグ付けしてAIのシステム上で多様に使えるようにしなければならないことがかなり大変だったとか。

 

AIはデータを元にして自分で学んでいくことで進化していきますよね。

そもそもそのデータが使い物にならなければなんの意味もないのです。つまりデータが命。

 

現状、AIを使おうと思ったらレガシーデータをそうした事前処理して使い物になるようにしなくてはいけないから、甘い話ばかりではないのですね。

 

トークの後でブロックチェーンがこうしたデータを作る面で、活躍するのではないか?

という質問がありました。これはすごく良い視点ですよね。存在を証明でき、改ざんが不可能なブロックチェーンを使うことで将来AIとの相性は抜群かも。もちろん、現段階では今まで私たちが残してきているデータはレガシーなものが多いです。(SAPとか)だから、「AIの活用」を考えるときそこにはどうしても「移行」が起きます。

 

だからこそブロックチェーンは本当に「新しい産業」つまり今までになかったものに目をつけることになるのでしょうね。「移行」じゃなくて「新しいものを生み出す」という視点です。「活用」じゃなくて、やっぱり「革命」なんです。

 

 

 

英語でのトークを日本語に通訳させていただく過程で、私自身もいろんなことを学び、刺激を受けたとても実りあるイベントでした。通訳をすると、トーク時間が2倍以上に膨れ上がりますので最後は時間がなくて私のブロックチェーンに関するトークはできませんでしたが、せっかくなので1番伝えたかったことを書いておこうかなと思います。

 

ブロックチェーンハブさんと今回のイベントを実施する前のミーティングで、今どういったことを課題に感じていらっしゃるのかをお聞きしました。それは、「ブロックチェーンで何ができるか?」という視点ではなく、新しいアイデアを持ってきてもらい、それを「ブロックチェーンでできないか?」という視点で考えることです。

 

以前BBc-1と云う日本初のブロックチェーン基盤を開発しているBeyond Blockchainさんに取材をさせていただいたときに「BBc-1が目指すものはApache」だとおっしゃっていたのがとても印象的でした。例えばブロガーがブログは何を使っているのか?と聞かれたときに「Wordpressを使っている」と言ってもその裏で動いている「Apacheを使っている」とは言わないのと一緒で、ブロックチェーンと言うもの自体、本来はそのくらい様々なシステムの基盤になっていくはずのものだと。よかったら記事是非読んでください。

 

ブロックチェーンを超えるブロックチェーン? 日本発の新たなブロックチェーン基盤「BBc-1」が目指す世界

 

今回私がもっとも伝えたかったことは「ブロックチェーンは考えるな!感じろ!」です。

Don’t think about Blockchain! FEEL IT!

 

昨今、「すぐわかるブロックチェーン」とか、そういう類の書籍や記事もたくさん出ていますよね。

そういうものがあること自体に批判をするつもりもないですし、むしろ喜ばしいことだと思っていますが、ぶっちゃけ「すぐ理解しよう」と思うこと自体が、おこがましい!!

 

よくブロックチェーンのミートアップに行くと「ブロックチェーン、全然わからないんです….」って申し訳なさそうにする人に遭遇するんですが、いいんですよ!!わからなくて!

 

というか、そんな簡単にわかると思っちゃダメですよ。そっちの方が、ダメ、絶対。

だと私は思う。

 

別にブロックチェーンに限らず。例えば人間だって人にはいろんな面があって、複雑です。簡単に理解されようとしたり、簡単に理解できるなんて思われたら、失礼だなって思っちゃいます。そんなのブロックチェーンに対する尊敬が足りない。人間はこんなに多面的で複雑だからこそ可能性に満ち溢れてるのと一緒で、ブロックチェーンも本当に世の中をガラッと変えてしまう様々な可能性を秘めていると私は信じています。

 

じゃあだからと言って距離を置くのか?

いいえ、面白がっちゃいましょう!「なんか変なやつだけど、スゴそう!!」みたいな。感じるんです。その、よくわからない何かを。

 

飛行機がどうやって飛ぶのかを、理論的に説明できる人ってどれくらいいるのでしょうか?

そんなにいないはずです。でも、今では飛行機に乗る人がたくさんいて「海外旅行が好きだ」なんて堂々と言っててOKじゃないですか。そこで「海外旅行を成り立たせている飛行機の仕組みもわからない奴なんてけしからん」という人は、いないですよね。だって飛行機はもうそのくらい、私たちの日常に浸透しているからです。電気のことだって、説明できる人はどのくらいいるのでしょうか?みんな、何食わぬ顔で今日もiPhoneをチャージしています。

 

でも、飛行機もiPhoneもワクワクします!

ライト兄弟が飛行機を発明した時には今のような「ノマドライフスタイル」が実現するなんて思っていなかった。けれど、「空が飛べる」ということから人は様々なことを妄想し、それが少しづつ現実化していき、こうした新しいライフスタイルが生まれた。今ではカメラさえ空を飛んでドローンです。

 

ブロックチェーンって、脱中央集権化の「開いていく」性質を持ったものです。

だから、「理解しよう」とするその「コントロールしようとする姿勢」が、本質的に合わないと思う。

というのが私の持論です。

 

 

追記:ビクトリアが今回のイベントで使ったプレゼンを日本語にしてくれるそうです。今回のイベント参加者でご希望の方は私までお問い合わせください。

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現在はモビリティ、インフラ、BlockchainとAI、アート関連のお仕事を中心に承っていますが、特にジャンルは問いません。

 

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