流動するノマド時代の”モノとアイデンティティの関係性”をめぐる展示「THE STUBBORN LIFE OF OBJECTS III」

Yuka Oyama, psychodrama_1MB
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どうも、自分のアイデンティティを探し続けているwasabi( wasabi_nomadik)です。

 

先日、私の生い立ちを赤裸々に綴ったプロフィール記事を書いたのですが多くの人から「自分も同じように自分の考え方と社会のズレに悩んでいた」というようなメッセージをもらいました。

 

同じように感じていた人がこんなにも多かったのかということに驚きを隠せませんでしたが、今の流動的な時代では、場所やそこに根付く「文化」に関係なくさまざまな情報や価値観が飛び交い、それにアクセスできるからこそ自分が今いる場所と自分が共感できる考え方が必ずしも一致するわけではないのだと改めて気づかされました。

 

私の記事にも関連して、こういうテーマに興味のある方にぜひ知ってもらいたいドイツベルリン在住のアーティストがいます。コンテンポラリーアートを数多く手掛ける大山由華(Yuka Oyama)さんという方です。

 

由華さんと私は通訳のお仕事を通じて知り合ったのですが、彼女の経歴やアートの取り組みがとてもおもしろいので、今日は彼女の展示会情報を含め紹介させてもらいます!

 

アーティスト Yuka Oyamaとは?

Yuka Ohyama
SWAP #45: Yuka Oyama and Axel Ruoff インタビュー映像より

 

1974年東京生まれ、マレーシア、日本、インドネシア、アメリカ、ドイツ育ちのアーティスト。

 

由華さんは幼少期から日本人の両親の仕事の関係でマレーシア、日本、インドネシア、アメリカ、ドイツを7年ごとに転々と引っ越しする人生を送ってきました。

そうして引っ越しをするたびに新しい現地語や文化を覚え、ビザの書類は度々変わり、住む場所も、今まで使ってきた愛着のある生活用品なども変わります。そうした絶え間ない環境の変化の中で生きてきた由華さんにとって、自分のアイデンティティについて深く考えるようになったのは自然のことと言えるかもしれません。

 

そんな由華さんが着目したのが、「モノとアイデンティティの関係性」です。

モノは言語や文化の違いを乗り越えて自分のアイデンティティを重ね合わすことができる、まさに「オブジェクト」です。お気に入りの家具、いつも使っている小麦粉の袋、馴染みのあるピアノ。

 

ピアノ

 

こうした自分の思い入れのある物体に、他人が成り代わってみたらどうなるのでしょう?

そんな実験的な試みをアート作品として発表したのが、こちらの作品。

 

Yuka Oyama, psychodrama_1MB

 

これは等身大サイズの小麦粉袋に人が入り、他者に自分のことをよく知っているであろう「オブジェクト」になってもらい自分について語ってもらうというパフォーマンスで、アマチュアの人が他の人間になりきって即興でロールプレイをするサイコドラマという心理療法からヒントを得た実験です。

 

そして由華さんは、どこへ移動しても、どの新しい民族のグループに入っても言葉の壁を超えて自分のアイデンティティを示すことができる方法は何か考えます。

 

そこで彼女が選んだのは「ジュエリー・アクセサリー」でした。

ピアノのオブジェを着た由華さんをモチーフにした「分身」のようなジュエリー

 

言葉が伝わらないとき、限られたボキャブラリーとジェスチャーで自分を表現しなければなりません。それは表現の幅を狭めてしまう。

 

でも、アクセサリーのような「固形物」に自分のアイデンティティを宿らせれば、どこにでもそれを身につけて、それだけで自分のアイデンティティを示すことができる。

 

そうした考えを作品に昇華したのが、このペンダントです。

 

近年トランプ大統領の当選をはじめ、難民を大量に受け入れたドイツ。こうした大きな変化を伴った欧米の政治、それによって今まで私たちが持っていた権利や国家という概念は大きく変容しています–。こうした流動的な時代に生きる人々のアイデンティティの移り変わりとモノの関係を研究していくことが現在の、そしてこれからの由華さんのアート活動の根幹にあります。

 

オスロで個展開催!THE STUBBORN LIFE OF OBJECTS III

そんな由華さんのアート作品とパフォーマンスを生で見るチャンスがオスロであります。5月10日(水)に開催される展示「THE STUBBORN LIFE OF OBJECTS III」です。

 

会期は5月10日〜12日の3日間。フィルム上映とパフォーマンスが見られるのは11日までで、12日にはインスタレーションが展示されます。

5月10日(水)のタイムテーブル
17.00, 17.30, 18.30, 19.00

5月11日(木)のタイムテーブル
17:00, 17:30, 18:30, 19:00

5月12日(金)のタイムテーブル(インスタレーション)

15.00 – 19.00

 

もしオスロにいらっしゃる方はぜひ、由華さんの世界観を覗き自分のアイデンティティにかんして深く考えるきっかけを作ってみてはいかがでしょうか?

 

会場情報:

Akademirommet, Kunstnernes Hus,
Wergelandsveien 17, Oslo

 

Yuka Oyama公式ウェブサイト:https://www.yukaoyama.com

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Photo by Nao Takeda 

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