ドイツ難民プロジェクトが頓挫した経緯と失敗談、これからのこと。

プロジェクト停止

どうも、wasabi( wasabi_nomadik)です。

最近いろんな人と会って話し、考えているおかげでいろんなことが明確になってきています。

今日も出版社でのミーティング中、私の活動においてなにを大事にしていくべきかが議題に上がったときに「失敗した経緯」を見せていくことが大事なんじゃないかというヒントをもらえました。

 

なぜかというと、今うまくいっているように見えるかもしれない私ですが、なんの苦労もせずに突如彗星の如く現れてなにもかもがうまく行き出したわけではないからです。そして今もそうで、いろんなプロジェクトに手を出しては失敗したり、予想外のことが起きたりしています。そういうトラブルが起きたら即対応が癖になってしまったので私にとってはその状態が普通で、実はそれを「失敗」だと思う暇もないのですが…

 

私は「行動が全て」といろんな人に口すっぱく言っていますが、多くの人は失敗を恐れてそれができない。

 

でも、私は行動に起こすことや失敗を違う視点から考えていて、「改善するデータを集めるために行動して失敗する」と考えています。

 

今回は、それが一体どういうことなのかを私の失敗実例を元に具体的にシェアしたいと思います。

 

難民をデジタルノマドにするプロジェクト「Digital Nomad For Refugees」

私のブログを前からフォローしてくださっている方は知っているかもしれませんが、私はドイツの難民問題に強い関心があり、「命からがらドイツへ逃げて来た『シリア難民の友達』にインタビューしてみた」というインタビュー記事を書いたことがあり、それが多くの方にシェアされて話題になりました。

 

それ以来自分になにかできることはないか?と考え続けて今年思いついたのが、難民にオンラインビジネスや翻訳、プログラミングなどの専門スキルを教えてドイツという土地に縛られない雇用を生み出すだけでなく、ドイツで人材が不足している専門職人材を輩出して両方の問題を解決するというプラットフォームを作ることでした。

 

そのために難民の翻訳者を雇って私が書いた英語記事をアラビア語に訳してもらい、ちょうど私がこのブログで発信しているようなフリーランスの始め方などを難民の人に知ってもらう、こういう働き方があるということを知ってもらおうと動いていました。詳しい事業内容と私の戦略はこちらの記事を読んでもらえればと思います。

 

いくつか記事を出しただけでも、会ったことのないドイツに住む難民の人から感謝や応援のメッセージが来たり、ボランティアを申し出てくれる人が現れたりと反応はあったのですが、運営していく上で私はとある問題にぶち当り、プロジェクトが頓挫しました。

 

翻訳者のやる気とプライドの差が激しかった

これは普通に考えれば当たり前かもしれませんが、いくら在宅でできる仕事の選択肢として翻訳があるとは言え、みんながみんな翻訳に向いているわけでもやりたいわけでもありません。

 

私は主に2人の翻訳者と働いていたのですが、1人はシリアで翻訳の勉強をしていたくらい翻訳にやる気と情熱があり、私のようにフリーランスになることが目標だという方でやる気がすごくありました。なので、その人と仕事をするのはすごく快適で、そのやる気にいつも圧倒されていました。

 

ただ、もう1人の翻訳者はもともとシリアで医療系の仕事でそれなりのポジションに就いていたという経歴のある人で、本当は翻訳じゃなくて自分の専門である医療系の仕事に戻りたいというのが本音の人でした。

 

だから翻訳自体に情熱があるわけではなかったので、やる気もまちまち。「あなたがやってって頼むからやってあげてる」的なノリで、態度的にはどっちがボスかをはっきりさせたい雰囲気でした。多分、シリアでは私のような若造を束ねている位置だったのに、私のような若い人に仕事を振られることに対するプライドみたいなのもあったと思います。だから会議のときは冷静な話し合いができなくて、マシンガントークで攻めてきて喧嘩みたいになることもありました。

 

そうなると当然、私は仕事がやりやすいもう一人の翻訳者に多く仕事を振るようになるのですが、それも気に食わなかったようで翻訳者の間でも、仕事をもらうためなのか、私の囲い込みをする状況が発生。(汗)私は間に挟まれて非常に気まずい状態に。

 

シリアのアラビア語は標準語ではなかったことが判明

もう1つ、実際にプロジェクトを動かしてみてきがついたことがありました。それは、シリア人の使うアラビア語は標準のアラビア語とは違うということ。これはサイトを見て協力を申し出てくれたエジプト人学生のおかげで判明したことです。

 

そのエジプト人の子が翻訳したものをシリア人の翻訳者に見せたら「これはちょっと間違っている」と言われました。その逆に、シリア人が翻訳したものをエジプト人の子にチェックしてもらったら「シリアとエジプトで使われているアラビア語は違うんだよ」と言われたのです。しかも、エジプトも標準アラビア語ではなく、方言(?)らしいのです。

 

これにはかなり困ってしまいました。

というのも、私が展開しようとしていたビジネスモデルでは標準のアラビア語翻訳ができる翻訳者を集めたかったからです。

 

このアラビア語ブログをポートフォリオにしてアラビア語の翻訳実績を作ったら、アラビア語圏にアプリ展開をしたい英語圏の会社に営業をかけてアラビア語翻訳の案件を取ってきて、それを翻訳者に振ることでビジネスにしようと考えていたからです。

 

アプリ制作の会社を立ち上げた友人から「アラビア語圏は石油王ならぬアプリ課金王がいて、アプリ進出がアツイらしい。今度出すアプリの翻訳案件を頼めないか?」という具体的な話まで出てかなり盛り上がっていたのですが、その翻訳案件は当然標準語のアラビア語でなければいけません。

 

ちなみに、アラブ人の間で課金ゲームバブルが起きているという記事はここで知りました。

 

なので、そのビジネスモデルが立ちいかなくなったときに「難民(シリア人)の翻訳者を雇うべきなのか、それともビジネスのことを考えて標準アラビア語を扱える翻訳者を雇うべきなのか?」とわからなくなりました。標準アラビア語の翻訳者を雇ってもいいけど、それだと翻訳経験があまりない人にチャンスを与えるという機会提供の意味や、難民問題を解決するプロジェクトではなくなってしまいます。

 

美容院でいやいや働く難民を見て考えさせられた

そんなことで悩んでいるとある日、髪でも切って気分を一転させようと私は以前友人におすすめされた近所の美容院に行きました。

 

お店に入るとスタッフの男性が私のことを案内してくれ、その人が私のシャンプーを担当してくれたのですが、どことなく緊張しているし手つきが慣れてなさすぎだったので、私は「新人なのかな?」と思いました。ただ、そんな緊張感マックスでシャンプーされてもこっちもリラックスできないので(笑)緊張をほぐしてもらうためにいろいろ話しかけたりしたのですが、どこかビクビクしているような人で、私はまた「なんでだろう?」と不思議に思いました。

 

その人はアシスタント的な立場でカット中もスタイリストの横について雑用を頼まれていたのですが、ドイツ語がまだ未熟ということもあってかスタイリストの人に終始怯えていて、スタイリストの人も彼に対してすごく強い口調で命令したり、一発でドイツ語がわからないことにイラついていました。

 

私はその雰囲気のなかで非常に居心地が悪く、当然もうこの美容院は来たくないなって思い、そのことをこの美容院を紹介した友達にグチりました。

 

「あの美容院、雰囲気悪すぎだったよ。ドイツ語が上手くないスタッフがいたんだけど、かなり搾取されている感じで見てて胸クソ悪かった。」と話したら、友達がこう言いました。

 

あーあの美容院は難民のスタッフを雇っているんだよ。僕はそこのオーナーと知り合いなんだけど、彼は難民問題にすごく意識のある人で難民に雇用機会を提供しようと、あえて難民を雇っているんだ。」

 

「え、そうなんだ?で、その難民のスタッフの人はもともと美容師だったの?ぶっちゃけシャンプーが超下手だったんだけど…」

 

「あーそうだろうね、だって彼はまったく違う業種で働いていた人で、美容師の仕事なんてまったく興味ないからね。でも僕はオーナーの取り組みが素晴らしいと思うし応援しているんだ。

 

こう言われて、なぜかすごく違和感が残りました。

私は自分のことも立ち返って考えてみると、「ただ仕事の機会を提供すればいいんじゃなくて、それぞれがやりたいことをできる機会を提供することにフォーカスしないとみんながハッピーにならないな」と気づいたのです。

 

そうしないと、やる気のない人がオフィスにいて全体の空気も悪くなるし、お客さんにも良いサービスを提供できない、だからお店を支持する人も離れて悪循環になる。

 

この一連の出来事から、自分がするべきことは「難民の人が本当にしたいと思っている仕事を現地でできるように、ドイツの雇用者とマッチングすることなのでは?」と思うようになりました。

 

たしかにデジタルノマド的観点からいうと、プログラミングやウェブ系の仕事ができた方が良いのは確か。でも、みんながみんなノマドになりたいわけでもないし、家で家族と過ごす時間が大事な人もいる。それぞれの適性にあったところで活躍する方がみんながハッピーになるのでは?と気づきました。

 

この「失敗」から学んだこと

というわけで今私が考えているのは、インタビュー記事が得意なライターという自分のバックグラウンドを最大限に生かして難民の人をインタビューし、それをドイツ人の雇用者に向けてドイツ語で発信するというものです。私はその人の良いところを引き出して自分の言葉でアピールすることには自信がありますし、それで誰かが喜んでくれることがすごく生きがいです。

 

以前の私は「難民になにかを教えてあげる」という押し付けがましいスタンスだったかもしれないと、その美容院の件で自分の行いも客観的に見れるようになりました。

 

アラビア語ブログは、それはそれで意味のあるものだったと思いますが、それぞれがやりたいと思っていることを引き出していくこと、それをマッチングさせていくことの方がより多くの笑顔が見られる。

 

こういう考えにいたって、新しいアクションを考え出せたのも、すべては「とりあえずやってみて失敗したから」なんです。これは、やってみなければわからなかったことです。

 

翻訳というビジネスをとっかかりにした結果、アラビア語圏でのゲーム課金が穴場というビジネスの種を知ることもできました。それをきっかけに調査を進めたアラビア語圏の消費者行動や現地でのブログ事情など、プロジェクトを基軸に具体的に知見を蓄えることもできました。

 

なんか長ったらしくなってしまいましたが、このプロジェクトはそういう感じで方向転換を繰り返しながら進めていきます。みなさんからもアイデアがあれば募集しますので、どんどん教えてください^^

 

さて、次はどんな失敗をし、なにを学んでいくのでしょうか?

乞うご期待(!?)

“ドイツ難民プロジェクトが頓挫した経緯と失敗談、これからのこと。” への 4 件のフィードバック

  1. wasabiさんのブログをみて、感激しました。
    本来なら政府などの役割であるはずのことを一人でやられていて本当に脱帽です。

    私はデジタルノマド志望の経営学部の学生ですが、常に先をゆくwasabiさんを普段から勝手ながら参考にさせて頂いております。

    難民支援のアイデアとしては、ドイツだけに絞らずに世界中の人に向けて紹介記事を発信するのはどうでしょうか?例えば、私はアラビア語を学びたいのですが日本には英語ほど試験がない(アラビア語検定ぐらい…)ため、教材や教える人がほとんどおらず、文化や難民経験も含め日本にも需要は十分あると思うのです。

    最後になりましたが、日本は梅雨が明け暑い季節になりました。
    この時期のお蕎麦とわさびの組み合わせは最高です;)

  2. こんにちは、初めてコメントさせて頂きます。以前からTwitter拝見して素敵な刺激を頂いております。私は10歳女児の母で、自分が子育てをしていく内に、自分の子どもだけでなく今の日本の子ども達の将来像がうまくイメージ出来なくなってモヤモヤしておりました。丁度そんな時、wasabiさんの活動を知って興味を持ちました。日本で普通に生活していると毎日の慌ただしい日常に埋もれてしまってなかなか物事を深く考えることができません。今回の記事も読んでいるだけでワクワクします。何てアクティブ!今はwasabiさんから一方的に素敵な刺激を頂いているだけですが、これからも活動をずっと応援させていただきます。いつかなんらかの形で恩返しできる様な活動が出来たらいいなぁと思います。拙いコメントですがこれからも応援しております。

  3. コメントありがとうございます!

    >>ドイツだけに絞らずに世界中の人に向けて紹介記事を発信するのはどうでしょうか?

    これ、やっぱりそう思いますか?私もドイツ語でやるべきか、他言語でもやるべきか若干悩んでいたんです。もしかしたらまずは英語で書く方がいいのかもしれないですね…そして、それをアラビア語やドイツ語に翻訳していくという…^^

    またちょっとアイデアが開けた気がします!ありがとうございます!

  4. コメントどうもありがとうございます!そんな風に言っていただけるのは本当に嬉しいです。でも、まだ形にできていないのでこれからも応援よろしくお願いします…!

    遠く離れた日本から、ドイツの状況に興味を持ってくださる方がいるというだけで、自分が行動することによって状況がこれから良くなっていくのではないかと希望をもらえます。

    また活動報告させてもらいますので、チェックしてもらえたら嬉しいです。

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