ドイツでフリーランス、個人事業主になるなら知っておきたい「Kleinunternehmer」とは?

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どうも、wasabi( wasabi_nomadik)です。

ドイツ・フリーランスの税・保険・年金にかんしてドイツ認定ファイナンシャルアドバイザーの山片さんをお迎えして詳しく解説する本シリーズ。前回PART1ではドイツでフリーランスになる人がまずすべき手続きにかんして紹介しましたが、今回PART2では具体的にフリーランス(個人事業主含め)になる人が知っておくべき「Kleinunternehmer(小規模事業主)」という概念について解説していきます!

Kleinunternehmerとは?(以下すべて2016年11月時点での情報です。)

ドイツでフリーランスの仕事をする場合、年間売り上げが17,500EUR以下であれば小規模事業主「Kleinunternehmer」として登録をすることができます。Kleinunternehmerになると以下のことが免除されます。

 

  • 請求書に売上税*19%を明記しなくて良い。(明示義務がなくても、仕事内容によっては明示したほうが良い場合もあります。詳しくは山片さんのブログをチェック!
  • ドイツに消費税19%を払う必要がない。
  • 毎月の売上税仮申告(Umsatzsteuervoranmeldung)をする必要がない。

 

ちなみに、Kleinunternehmerの場合は売上税仮申告をしなくて良い代わりに、請求書へ売上税を明示しない理由を書かないといけません。上記山片さんのブログより引用した以下の情報を参考にしてみてください。

■ 売上税免除の際の表示

売上税を明示しない場合は、その理由が示されなくてはなりません。

♢ 小規模事業の場合(年間売上17500€未満で Kleinunternehmer として登録している場合)

売上が17,500€未満のKleinunternehmerregeln(小規模事業ルール)が適用の場合は、以下の表示をします。

Als Kleinunternehmer im Sinne von § 19 Abs. 1 UStG wird Umsatzsteuer nicht berechnet.

♢ 日本などEU圏外へのサービスや物品輸出の場合

この場合は、小規模事業者でなくても売上税はかかりません。以下のように表記します。

Als die Leistungen von der Ausführlieferungen/Vermittlungen nach §4 UStG wird Umsatzsteuer nicht berechnet.

その他、職業(芸術家、教育関係など)と条件によっては表示義務を免除されることもあります。

 

*注*売り上げとは利益のことではありません。売り上げは経費を差し引かない数字のことです。

 

ドイツでフリーランスの仕事を始める人は、税務署でフリーランス登録をする際に自分がKleinunternehmerかどうかをチェックしましょう。

 

自分がKleinunternehmerであるかどうかの申告をするタイミングは以下3番目の税務署でフリーランス登録をする際です。申請書類にチェックを入れる欄があります。

 

 

1.家探し&住民登録(Anmeldung)の手続き。(基本の基本なので動画内では言及を省略しています。)

2.外国人局へ行きビザ申請&取得。(ビザ取得の条件に健康保険への加入が含まれるので、どの保険に入るかも検討する)

3.税務署へ行きフリーランス登録。(税金番号「Steuernummer」をここで取得し、収入と職業内容によっては「Kleinunternehmer」の登録にチェックを入れる)

 

 

年間売り上げが17,500EUR以下でもKleinunternehmer登録しない方が良い場合も?

年間売り上げが17,500EUR以上の人は、Kleinunternehmerのルールが適用されません。Kleinunternehmerでない人は毎月「Elster」というオンラインシステムを使って税の仮申告をする義務がありますし、請求書にも売上税(サービスによっては7%または19%)を明記する必要があります。

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一見すると、Kleinunternehmerでない人はめんどうなことが増えるように思うかもしれませんが年間売り上げが17,500EUR以下でもあえてKleinunternehmerのルールを適用せずに売上税の明記をした方が良い職種もあります。

 

たとえば輸出入販売(BUYMAなど)を仕事にしている人は、申告することによってドイツで仕入れた物品にかかった税金を取り戻すことができるため得になるのだそうです。

職業や収入など総合的な観点から見ると、たとえ年間売り上げが17,500EURだとしても必ずしもKleinunternehmerになることが万人にとってお得になるとは限りません。年間売り上げが17,500EUR以下の人は、自分にとってなにがベストかを考慮した上でKleinunternehmerになるかどうかを検討してみてください。

 

Kleinunternehmerになる人は最初の「値付け」が肝心!

動画内で山片さんがアドバイスしていますが、Kleinunternehmerになる人が意識すべきこととして「最初の値付け」が挙げられます。

 

年間売り上げが17,500EURを超えないうちは自分のサービスの値段に売上税を明記する必要はありませんが、ビジネスが軌道に乗って年間売り上げが17,500EURを超えたとき税務署から「もうあなたはKleinunternehmerではありません」というお達しが届きます。

 

するとそのときから従来の自分のサービスの値段から税金を支払わなければいけなくなります。

たとえば、Kleinunternehmer時代にとあるサービスを100EURに設定したとします。

Kleinunternehmerで年間売り上げが17,500EUR以下だった時代はその値段をまるまる自分のものにできますが、売り上げが17,500EURを超えた時点から19%の税金を払うことになります。

すると今までは100EUR手取りで入ってきたはずのサービス料金は100 / 119% = ca. 84EURになってしまいます。

 

自分の損失を防ぐためにはKleinunternehmerでなくなった時点からクライアントへ売上税分の値上げをしなければいけないことになりますが、クライアントからすればおよそ20%近い値上げをされることになるため今後のビジネスにも影響してくる可能性があります。

 

つまり、最初はKleinunternehmerだったとしても今後年間売り上げが17,500EURを超えることを見越して売上税分を含んだ値段設定が重要になるということです。

この話は動画内でもしていますのでぜひ動画をチェックしてみてください。

 

 

  • 山片さんはフリーランス、個人事業主向けにKleinunternehmer登録やKleinunternehmerではない人向けの会計などのサポートも行っています。(メールは山片さんへ直接届きます。)

 

 

ドイツ認定のファイナンシャルアドバイザー山片重嘉さんとは?

yamakata_shigeyoshi
温泉と医療の街として知られるバート・ナウハイムにて。

 

千葉県柏市出身。1998年にドイツへ移住。

現在は音大講師の妻と二人の娘に囲まれて、フランクフルトの北40kmにあるアールヌーボー(Jugendstil)の建物の美しい温泉街バート・ナウハイム(Bad Nauheim)在住。

ドイツに来てからは文化交流、和太鼓のヨーロッパコンサートツアーの企画運営、持続可能農業プロジェクトの運営などに携わる。現在はドイツに住む日本人へお金にまつわるあらゆる相談やプランニング、契約代行サービスなどを承っているほかブログDJ Finanzでも情報発信中。ドイツ生活情報サイトドイツニュースダイジェストでは税金、ローン、保険や年金などにまつわる話を好評連載中。

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