もし食費が無料だったら?ドイツの「ダンプスター・ダイブ」から見る多様な生活の可能性

どうも、ミニマルな生活を目指しているwasabi( wasabi_nomadik)です。

私の1ヶ月の生活費はとても安いですし、そこまで物欲がないので書籍以外あまり物を買いません。

というか、ベルリンに来てから買い物の頻度が明らかに減りました。東京のように駅直結型のショッピングモールもないですし、お店も大体6時くらいで閉まってしまう上にどこも日曜日は閉店しています。

「えー不便そう」と思うかもしれませんが、買い物をする頻度が減って良かったと心から思っています。なぜなら買い物に行く時間とエネルギー、そしてお金を節約できて、「自分が人生で本当に何をしたいのか」を考える時間を得る事ができるからです。

 

「自分は人生で何をしたいのか」ー これって言うまでもなく生きる上ですごく大切なモチベーションですよね。同時にこれを考える事はとても能動的な行いです。

 

でも多くの人は、買い物等の「消費行動」によってこの重要な事柄を考える時間が「奪われている」ということに気がつきません。そして、気がつかないのは受動的な思考に慣れきってしまっているからなんです。

 

私は東京で生まれ、東京で育ちましたが色々な世界を見て回ってきて言えるのは東京は「超消費社会」だということです。決められたサービスに対してお金を払い、それを受信するという楽しみは溢れていますがお金を使わなくても、自分のクリエイティビティを最大限に使ってゼロから何かを作り出すという楽しみや可能性は残念ながらとても限られているように思います。

Photo By Raffaele Esposito(Flickr)
Photo By Raffaele Esposito(Flickr

突然ですが、とある私の友達は「ダンプスター・ダイブ(Dumpster Dive)」といって、日常的にスーパーの廃棄食品が捨てられたゴミ箱から食品を拾っています。文字通り、Dumpster(ゴミ箱)にダイブしてゴミを漁っているわけです。

ゴミを漁って食べる・・・なんて言うとすごく汚い印象がしてしまいますが実際すごく状態の良い果物や野菜、全然食べられるパンやベジタリアンの食品などを拾ってくるのでとても驚かされます。私も何回もゴミ箱から拾って来た食品を食べた事がありますが買ったものと大差ない品質だったので「なぜ自分はスーパーで買っているのだろう」とさえ思ってしまったほどです。

 

ベルリンにこうしたダンプスター・ダイバーが特別多いという訳ではありませんが、「Food Sharing」という団体はBIOスーパーと交渉をして廃棄食品を譲り受け、ウェブ上でプラットフォームを作って食品を誰にでもシェアするという活動をしています。注目すべきはこうしたオルタナティブな考え方を発信するのは普通の若い人達です。私が今年4月末に取材同行したFood Sharingの会議によると現在6000人のメンバーがドイツが年間130万Kg出す食品廃棄を減らすために活動をしているそうです。

INTERNATIONALES FOODSHARING TREFFEN にて。
INTERNATIONALES FOODSHARING TREFFEN 2015 にて。

 

ダンプスター・ダイブをしている私の友達も、ホームレスというわけでもなく平日は働いて週末はクラブに行って遊ぶようなごくごく普通の女の子です。彼女の食べるものの全体の80%くらいはゴミ箱から、残り20%はゴミ箱からゲットできないものを買っているそうです。そんな彼女はFood Sharingのメンバーとしても活動しています。

彼女は先進国ドイツの出身。お金に困っている訳でもないのにそもそも何故ゴミ箱から食べ物を拾ってくるのでしょう?

ー「食費を浮かせれば、そんなに働かなくていいじゃない?その分の時間や労力をFood Sharingの活動や自分の本当にやりたいことのために使いたい

と彼女は言います。たくさん働いて、たくさん使うことが奨励される東京から来た私にとって、彼女の考え方は何か目を覚まさせるインパクトがありました。

 

ダンプスター・ダイブを始めとした「お金を使わないで楽しく過ごす」という考え方はもちろん人によって様々な動機のもとで実施されますが、大きく括るなら、「フリーガニズム(Freeganism)」という哲学に基づいています。この概念自体は90年代のグローバリゼーション化した社会と行き過ぎた消費主義社会への反抗として生まれました。ベルリンには廃墟を占拠して住み着いてしまう、スコッター(Squatting) が多く見られますがこれもフリーガニズムの考え方のひとつです。

 

ちなみにフリーガンと日本語で書くと、サッカーの試合で暴れる「フーリガン」を連想させる節がありますが全くの別物です。フリーガン(Freegun)はFree+Veganから成る造語で、全員ではありませんが、ダンプスター・ダイブをする人の多くはビーガンかベジタリアンだと言われています。政治的、宗教的、環境への配慮という様々な観点から乳製品や肉を摂取しない人が多く、大量生産システムが生み出す社会問題や、大企業が利益追求のために行う非倫理的な事柄を「買わない」という行為によって意思表示をしているとも言えます。

 

何もダンプスター・ダイバーのように食べ物をゴミ箱から拾ってこなくても、もし自分の食費が今よりずっと安くなって生活が楽になったらその分、なにをしたいかー。これを考える事で、世の中に溢れている「便利」の先には最終的に何があるのか、「時短」、「節約」は自分にとってどんな意味があるのかを考える良いきっかけになるのではないでしょうか?

 

今後ベルリンにあるフリーガニズム的思想を持った面白い取り組みや文化についても具体的にブログでレポしていく予定ですのでお楽しみに!

 

 

興味があるかたはこちらの記事もどうぞ。

“もし食費が無料だったら?ドイツの「ダンプスター・ダイブ」から見る多様な生活の可能性” への 1 件のフィードバック

  1. wasabiさん、初めまして。
    Ayakaと申します。
    時々wasabiさんのブログを拝見させていただいていて、何度かコメントや連絡をしたいなと思っていました。
    今回この記事を読んでコメントしたのは、ウィーンで友達になった人がDumpster Diveをしていたのを思い出したからです。
    2年前ほどの出来事でしたが、聞いた当時は「ゴミ箱、、?!」ということで「お金に困ってるのかな、生活が大変なのかな」なんて思ってしまいました。ただ、話を聞いていると、食糧の廃棄を減らす運動をしたり環境保護の活動をしたりされている方で、こんなやり方もあるんだなあと感心しつつショックを受けたのを覚えています。
    「Ayakaも行く?:)」と聞かれたのに、その時はできる自信もなく、やる自分を想像することすらできませんでした。今思えばついて行ってみたらよかったと思います。何でも新しいことに挑戦する性格ですが、一瞬だけ日本社会からの目を思い出して想像してしまったんだと思います。日本でゴミをあさったりしたら、周囲の人は恐ろしく気味悪がりますからね、、笑
    その時はウィーンで会ったフランス人が個人的に活動してるのかと思っていましたが、この記事を読んでこんなにもたくさん食糧廃棄の減少に取り組んでいる人がいるのかと感動しました。また、私のパートナーはヴィーガンで私はベジタリアンですが、「買わないことで意思表示をしている」という言葉が「動物性食品を食べないことで意思表示をしている」という私達の行動とマッチしていて凄く理解を深められました。また、なぜベジタリアンでいるのかを日本語で説明するのにもいつも苦労していたので、シンプルで分かりやすいこの言葉を使っていきたいと思いました。
    なんとなくオーストリアやイタリア、ドイツなどの社会や生活が自分に合っているし心地いいなと感じてきたのも、こういった消費活動や環境、政治に対する考え方があるのかなということも明確にできてきたので、私もそろそろ行動に移したいなと思いました。ありがとうございます!
    長くなってしまいましたが、これからもフリーランス情報やワンフレーズドイツ語のインスタグラムも楽しみにしています。^^
    Ayaka

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